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いつか必ず訪れる。『実家をどうする?』問題

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2020年5月28日

将来、親の相続が発生したときには、遺された実家をどうするかという問題に直面します。誰も使うあてがないとしたら、どう取り扱うのが賢いのか?
選択肢と注意点、活用法ごとに異なる相続・税制上のメリットについて知っておきましょう。

実家をどうする?主な選択肢は5つ

実家の処分について考えるとき、どんな方法があるか分からず悩んでしまいがちですね。
売る・貸す・住むなど、不動産の条件や家族の事情によって方法は様々。
ここでは主な5つの方法について解説いたします。

実家をどうする?主な選択肢は5つ

「売却」する

日本では、人口減に伴う不動産需要の減退が見込まれており、空き家の増加は地方だけではなく、全国的な問題になることが避けられません。実家の立地が飛び抜けて良いなど超好条件でもない限り、実家はいずれ『売るに売れない負の遺産』になる可能性があります。
そのような不動産を所有しておくことは、将来相続トラブルの元になる可能性もあるので、維持管理のコストや手間も考えると、売却を最優先に考えるのが良いでしょう。また、買い手がつきにくそうな物件でも「空き家バンク」制度に登録しておくのも手です。移住希望者等とのマッチングにより契約成立の可能性が広がります。

人に「貸す」

売却しない事情があるなら、賃貸に出すのも一つの手です。家賃収入が見込め、家を誰かが使っていれば管理面での安心感もありますね。
ただし、古い家を賃貸に出すには相応のリフォームが必要です。税金や管理業者へ支払う費用、修繕費なども含めると、必ずしも採算が取れるとは限らないのでまずはコストや想定家賃収入などを含めて試算してみましょう。将来戻る予定があるのなら、期間満了時に確実に契約終了できる「定期借家契約」を検討しましょう。貸したい場合も「空き家バンク」制度への登録がオススメです。

身内の誰かが「住む」

土地や家そのものに愛着がある場合は、親族の誰かが土地を相続し、そのまま住み続ける方法があります。ただ、住みたい気持ちはあっても、仕事や家族の都合上、実家には戻れない方が多いですよね。
もし運良く住めた場合は税制メリットを得られることもあるので、事前にチェックしておきましょう。

「取り壊す」

土地として売却に出す場合、一般的に古家付きより更地の方が売れやすい傾向にあります。
しかし更地にすると固定資産税の特例が使えなくなり税額が6倍になるため、首尾良く売れなければ負担が増えるということを念頭に置いて、慎重に選択しましょう。

「空き家」にしておく

近いうちに使用する予定があったり、別荘として持っておきたいなら空き家にしておくのも有りかもしれません。
ただし、無人の家は傷みが早いため、最低でも月に一度は換気等のメンテナンスが必要です。また、長く人が住まない家は、放火や不法侵入などの犯罪の温床となる可能性があります。建物の崩壊や、害虫・害獣被害などで隣家や自治体から苦情が来ることも大いに考えられますので、長期間の放置はやめておきましょう。ご自身やご親族で管理できない場合でも「空き家管理サービス」などを利用する方法もございます。

「空き家」にしておく

売る・貸す・住む 各税制メリット

相続や不動産に関する税には様々な特例や控除が存在しており、適応条件をクリアすれば大幅に税負担を軽減することが可能です。
特例が適応できたから税金がかからなかった!ということもありますので、事前にチェックしておきたいですね。
以下では、実家を売る・貸す・住む場合の特例・控除の一例をご紹介します。

親の生存中に売る

  • 3,000万円の特別控除:居住用財産を売却した場合に、売却益から最高3,000万円が控除される特例です。
  • 軽減税率の特例:親が実家を10年以上所有していた場合は、売却益に対して軽減税率が適用されます。

相続後に売る

  • 取得費加算の特例:相続した実家を3年10ヶ月以内に売ると、支払った相続税のうち売却した財産にかかる部分を取得費に加算できる特例です。

親の生存中に貸す

  • 相続税評価の減額:実家を賃貸にだした状態で相続した場合、借家・借地権割合に応じて建物と土地にかかる相続税評価額が減税されます。

相続後に住む

  • 小規模宅地の特例:親と同居していた子、賃貸住まいで別居していた子が実家を相続して住む場合、宅地の相続税評価額が8割減になる特例です。

後悔しないために・・・早めに話し合っておこう

いくつかの選択肢をご紹介しましたが、これらはあくまで一例。不動産の条件やそのときの状況によって、どんな選択肢を選べば良いのかは変わってきます。
後悔の少ない選択をするためには、なるべく早い内から家族でよく話し合っておくことが不可欠ですね。

ご実家の処分方法についてのご相談は「小田急不動産」でも承っております。どのような方法がご自身にとってよりよいのかを一緒に考えてまいりますのでお気軽にご相談ください。(物件の所在地等により、売却活動等が当社でお受けできない場合もございます。あらかじめご了承ください。)

後悔しないために・・・早めに話し合っておこう

相続に絡む相談や税制メリットなどの確認、家族信託・遺言書等については、専門家への相談も可能です。

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