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「かんたん自分史」がセカンドライフのヒントに?!
心を整え未来をデザインする

  • #整理・収納
  • #老後
2022年9月5日

人生100年といわれる今、先は長いですね。お金や住まい、家族のことなど不安もいっぱい。元気なうちにこそ、将来を見通して「どこで誰とどんな暮らしをしたいか」をイメージしましょう。まずは心を整理し、ご自身の人生の道すじを確認することから
今回は生前整理の第2メソッド「心を整え、未来をデザインする」から、具体的な方法として3つのステップをご紹介します

ステップ1. エピソードを書き出すだけの「かんたん自分史」で人生を振り返る

幼少期から現在までの自分の人生を振り返り、年代ごとに心に浮かんだエピソードを書きましょう。詳しい年表のようにする必要はありません。年代とクエスチョン、記入例は以下のとおりです

幼少期 自分で覚えている、または親や親せきなどからよく聞かされたエピソードは?
(ex.よく熱を出していた、落書きをして叱られた、迷子になって大騒ぎ・・・)
小・中学時代 仲良しの友人、よくしていた遊び、好きな先生や教科、部活動などの思い出は?
(ex.幼馴染と草野球ばかり、音楽の先生に初恋♡、運動会で大活躍・・・)
高・大学時代 友人、先生や授業、部・サークル活動、アルバイトなどは?どんな夢があった?
(ex.英語に目覚めた、テニス部で大会出場、バイト先で親友ができた・・・)
仕事について 主な職歴、上司や同僚との思い出、一番苦労したことやうれしかったことは?
(ex.同期と比べられて大変だった、お客さんの「ありがとう」に励まされた・・・)
両親兄弟姉妹
について
ご両親、兄弟姉妹はどんな方?お名前と生年月日、思い出深いエピソードは?
(ex.母が手縫いの服を作ってくれた、兄と部活でレギュラー争いをした・・・)
現在の家族
について
現在のパートナーはどんな方?お名前・記念日、その方を選んだ理由は?
子供やペットなど一緒に暮らす家族のお名前・生年月日・名前の由来は?
(ex.一緒にいて安らぐ人だった、世界でも通用するよう「圭」と名付けた・・・)
現在の私について 仕事、所属サークル、ボランティアなどの社会活動を書き出します。また、趣味や、好きな音楽・食べ物・言葉など「好きな○○」を思いつくままに書いてみて。自分の好きなモノやコトを意識しながら暮らすと、人生が豊かになります
(ex.好きな花=バラ、色=オレンジ、動物=イヌ、スポーツ=ゴルフ・・・)

人生を振り返ることで、幸せを感じ自分自身をいとおしく思えます。たくさんの人とかかわってきたことに気づいたり、自分の好きだったことやモノを思い出したりするきっかけにも。
今まで培ってきたチカラの洗い出しをすると、未来をイメージする余裕が出てきます。

ステップ2. 勇気を出して、3年後のもしもの時を想像すると・・・

人生をしみじみ振り返ったら、次は少し勇気を出して、自分がこの世にサヨナラをする「もしもの時」を想像してみましょう。それが3年後の今日だと仮定して、あなたはお棺の中から周囲を見まわすイメージです。自分の葬儀をイメージすることで、大切な気づきが得られます。
喪主はどなたですか?どんな方々が参列していますか?どんなお花が飾られ、どんな曲が流れていますか?
そして、葬儀では自分をどんなふうに紹介してもらいたいと思いますか?
・・・それはきっとあなたが"なりたい自分"。向かうべき道すじに気づくことができます。
そして、3年後のその日までに「やり残した」と思うことを書き出しましょう
・・・それはあなたの”やりたかったこと“です。ステップ3で「やりたいことリスト」にして、ぜひチャレンジを。

ステップ3. 人生の新たな目標になる「やりたいことリスト」

具体的に「やりたいことリスト」を作って、未来をデザインしましょう。やりたいことを文字にしていくと、これから自分がどんな暮らしをしたいかが見えてきます。キーワードは"チャレンジ"。
クエスチョンと記入例は次の通りです

行ってみたい場所は?

ex.世界一周、富士登山、温泉めぐり、新婚旅行で行った場所・・・

やってみたい趣味は?

ex.英会話、ガーデニング、ゴルフ、スキューバダイビング・・・

一度は食べたいものは?

ex.最高級の寿司、本場イタリアのピザ、あの店の懐かしい味・・・

まだ挑戦していない夢は?

ex.本の出版、スカイダイビング、外国暮らし、ミニマリスト・・・

一度会いたい人は?

ex.初恋のあの人、憧れの芸能人、けんか別れした友人・・・

5年後、どんな暮らしをしていたい?
(できるだけ具体的に思い浮かべて
書きましょう)

ex.田舎暮らしを満喫、家事を卒業しホームで悠々と趣味を、家族に囲まれて賑やかに・・・

"やりたいこと"や"したい暮らし"が書き出せたら、具体的な方法や期日を決めてスケジュール化しましょう。一覧にして貼り、 "やりたいこと実現"をお互いサポートしあっているご夫婦も。
実際、好きだったバイクでのツーリングを再開した方、マリンスポーツのために海辺に引っ越した方、故郷の家を2世帯バリアフリーにリフォームした方など、思い描く未来の夢を実現した方が多くいらっしゃいます。

将来の暮らしを考える前に、まず「人生の振り返り」を。エピソードを書くだけの「かんたん自分史」作りは、生前整理のメソッド1「写真やアルバムの整理」と同時進行で行うとよりスムーズにできますよ。

本コラムでは、「生前整理の基本 - モノの片づけ・心の整理・情報の伝達」について、順を追って詳しく解説していきます
「生前整理」は「モノ・心・情報を整理」して、あしたの道すじを照らすこと。ひとりでも多くの方が新しい目標をもって幸せに生ききることができますよう、と願いつつ

~本コラムの筆者プロフィール~

村上 充恵氏

ル・リアン横浜代表。生前整理コンシェルジュ。神奈川大学EXT講座講師。セミナー、相談会などを通じて生前整理メソッドをわかりやすく伝える活動をしている。生前整理普及協会アドバイザー認定指導員、ファインシャルプランナー2級技能士。

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