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築20年が迫る家②

  • #エッセイ
2024年1月10日

~家の記憶エッセイ~ 住まいと棲み家とお宅とアジト

住まいにまつわるショートストーリーをお届けします。
日々の、日常の、住まいと家族のこと。
朝のコーヒーを飲みながら、通勤電車の中で、煮物が煮あがる待ち時間、就寝前に。
インテリアやインタビュー記事を執筆しているフリーライターによるコラムです。

魚焼きグリルの排気口から火柱が!
トイレに続きガスコンロを新調

築10年を超えたあたりからあちこち気になり始め、最初にしたリフォームがトイレ交換だったことは前回書いた。メンズ4人が汚す床のクッションフロアも、跳ね上がりを受けて黄ばんだ壁紙もきれいになって毎日気分がよかった。壊れてないけど新品にした贅沢?リフォーム編、トイレの次はガスコンロなり。これは料理中の衝撃体験が引き金になった。脂の乗ったサバがそろそろ焼き上がるかな、とコンロを振り返った時、魚焼きグリルの排気口から火柱が上がっていたのだ。「火事‼」と思ってとっさにコップの水をかけたらすぐに鎮火した。

引き出した受け皿の奥の奥に

どのぐらいの火柱だったか、ビビりすぎてよく思い出せないが、原因は私のお手入れ不足にほかならない。魚焼きグリルの受け皿ではなく、その周囲を取り囲む矩形の最奥部。排気口の下の壁面に薄く付着した尾の破片や炭化した何かに、魚の油からの火が移って炎上したようだ。鎮火後にヘラでこすったら、見える範囲は簡単にきれいになった。こうした日々の作業を怠っていた私の失敗談を聞いた友人は、「奥まで毎回拭いてるよ、においがつくから」とあっさり。すみません。

ということで、安全装置の進化にも期待して、コンロ幅の拡張(幅60cmから75cmへ)も目論んで、15年使ったガスコンロを新しいものに入れ替えた。新築時より家族も増え、食べる量も増え、使う鍋のサイズも大きくなっている。大きな土鍋2つをコンロに置いてもぶつからない快適さ! 明るいガラストップとシルバーに輝くゴトクを見るだけで嬉しい。ついでに、継ぎ目から水漏れし始めたキッチンの水栓も交換した。新しい水栓は引き出せばシンクの端まで届いて掃除がラクラク。トイレもコンロも水栓も、“お手入れラク”にニヤニヤが止まらないラク好き主婦なのだった。

~本コラムの筆者プロフィール~

葉山 郁子(はやま・いくこ)

ライター。小学校時代に4回転校するなど引っ越し好きの母と首都圏を転々とした後、神奈川県寄りの都内に定住。大手出版社で複数の編集部と雑誌創刊を経験。現在はフリーでエンタテインメント分野の記事を中心に執筆。社会人、大学生、高校生の3人息子と夫の5人世帯に加え88歳の母と二世帯同居している。

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